福徳
提供: 新纂浄土宗大辞典
ふくとく/福徳
善いこと。善い行い。幸福。Ⓢpuṇya。功徳とも訳される。他者を幸福にして得る功徳ともいわれ、また智慧とともに覚りを得るために不可欠なものともいわれる。『法華経』方便品では、六波羅蜜が福徳であるとする。『大智度論』一五では、仏道を福徳門・智慧門に分け、「施・戒・忍を行ずる、これ福徳門となす。一切の諸法実相・摩訶般若波羅蜜を知る、これ智慧門となす」(正蔵二五・一七二中)とする。『成唯識論』九では、六波羅蜜はすべて福徳と智慧の二種の資量に通じるが、個別的には「前五、説きて福徳となす。第六は智慧なり。或いはまた、前三ただ福徳の摂、後の一ただ智。余は二種に通ず」(正蔵三一・四九上)とする。
【執筆者:大屋正順】