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伏現行浄土

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ぶくげんぎょうじょうど/伏現行浄土

菩薩の五十二位の第二一から四〇位にあたる十住・十行・十回向、つまり三賢の位の菩薩が生まれる仏土(化土)のこと。伏現行とは、いまだに煩悩を滅しきった状態にはないが、智慧の力によって煩悩が現れないように押しとどめている状態のことをいう。伏には二種あり、地前位において有漏うろちをもって煩悩を一時的に伏するのを暫伏ざんぶく地上じじょう位において無漏智をもって煩悩を間断なく伏するのを永伏という。良栄理本の『東宗要見聞』には「定機は、もし修恵を論ぜば下界の惑を伏して上界の定を得。この義に依るが故に伏現行と云う。もし散機は、信心清浄にして三福業また念仏を修する時、業惑の勢力を損じて穢土の生を感ぜず。故に暫く伏の義に属す。また得生の後、定散の二機共に煩悩を伏して現起せしめず。たとい平生の時は煩悩現起すと雖も、臨終の時、その心清浄にして惑現起せず。それよりこのかた得生以後は遂に起こらず。故に所変の土、是れ伏現行浄土なるべし」(浄全一一・三六二下)とある。


【資料】『東宗要』二(浄全一一)


【執筆者:髙橋寿光】