法要中の雅楽の演奏形式。付楽とも書き、「つけがく」ともいう。式衆が声明の同音を唱えている時、楽衆(伶人)が声明とは別個の旋律である雅楽曲(唐楽曲等)を三管三鼓の形態で重ねて演奏すること。一方、声明旋律に不即不離で付けて伴奏することを付物つけものといい、笙しょう・篳篥ひちりき・竜笛の三管各一名で演奏する。本来の意味での付物がなされていることは少なく、「三尊礼」以外は附楽に近い奏法である。ただし、入退堂のときは奏楽と称している。
【参考】近藤静乃「現行法会における付物・付楽の諸相」(『無形文化財研究報告』三、二〇〇九)
【参照項目】➡雅楽、仏前奏楽
【執筆者:編集部】