いったん身につけた戒法を破り犯すことをいう。犯戒ぼんかいともいう。持戒に対する語。もともと、戒は三学の一つであるから、この戒を破ることは、仏道修行に対する致命的な損傷であるが、法然は『選択集』一二に「下品中生はこれ破戒の罪人なり」(聖典三・一七一/昭法全三四一)と示すように、破戒を罪と断じながらも、たとえ破戒者であっても念仏すれば浄土往生が叶うと説く。
【資料】『往生記』
【参照項目】➡持戒往生・破戒往生、種種念仏往生の機
【執筆者:工藤大樹】