百万遍数珠
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:31時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ひゃくまんべんじゅず/百万遍数珠
多人数の数珠繰り(数珠回し)で用いる数珠の総称。百万遍念仏を称えるときに用いる大きな数珠。一〇八〇顆あるいは半分の五四〇顆、一〇八顆のものなどが用いられる。百万遍念仏の数珠繰りは従来行われていた百万遍念仏と、『木槵子経』の「数珠を持ち三宝の名を称え百万遍を満たす者は百八煩悩を断除し涅槃に趣向する」(正蔵一七・七二六上)との説などにより、多人数で数珠を回し念仏する方法をとる。その修し方には一人で一〇〇万回称える如法真修と、集団で称えて合計で一〇〇万回とする略法草修があるとされるが、一般に行われるのは略法草修である。その基本は、一人が数珠内で鉦を打ち念仏し、結衆は一〇人で称えながら、一〇八〇顆の数珠を一〇〇度回す方法で行う。一人が称える念仏の回数×人数の合計数をいう。念仏講の人が通夜などのときや地蔵盆に用いる地域がある。
【資料】『長徳山智恩寺歴志略』、『百万遍勧誡鈔選翼』、『念仏百万遍祈禱弁抄』
【執筆者:大澤亮我】