二祖三代
提供: 新纂浄土宗大辞典
にそさんだい/二祖三代
二祖とは、高祖善導と宗祖法然のこと。三代とは、良忠の『決疑鈔』五によると「今、三代の相承を以て、輒く五巻の決疑を記すのみ」(浄全七・三四七下)とあるように、法然・聖光・良忠のこと。しかし、順阿隆円『浄業信法訣』一によると「右善導・元祖ヲ両祖ト称スル時ハ、鎮西・記主・白旗ヲ三代上人ト称ス。タダ元祖ヨリ記主マデヲ三代上人トモ称ス」(『伝灯輯要』九四七)とあり、良忠門下が六派に分かれ、白旗派の祖良暁を正統とする説があり、一説に聖光・良忠・良暁を三代とする説もある。徳川中期以後に聖冏教学に対する批判教学が生じたが、共通な点はいわゆる二祖三代の説であり、この二祖三代をもって浄土宗の正否をさばく基準としている。
【参考】石井教道『改訂増補 浄土の教義と其教団』(富山房書店、一九七二)
【参照項目】➡二祖三代定判
【執筆者:藤本淨彦】