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波乗りの御影

提供: 新纂浄土宗大辞典

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なみのりのみえい/波乗りの御影

高松法然寺に安置される法然上人像合掌しながら波頭に立つ姿にあらわされていることからその名がある。建永二年(一二〇七)の法難によって法然は四国讃岐国塩飽しあく島に配流となったが、波乗りの御影は、その塩飽島上陸時の姿を彫像にしたものといわれる。また、本像には「滝宮法然上人」「雨乞い法然上人」といった別称がある。滝宮(香川県綾川町)において法然が修した雨乞い念仏により慈雨を得ることができたとの伝承があり、その奇譚によって念仏踊りが始まったとされ、本像はそのときの法然の姿を刻んだものとも伝える。両伝承は、法然在世中のものであるが、現存する御影は江戸時代に制作されたものと考えられる。


【参考】成田俊治「法然上人の御影を拝する 波乗りの御影」(『知恩』一月号、二〇〇六)、同監修・解説『法然上人の御影』(総本山知恩院、二〇一一)【図版】巻末付録


【参照項目】➡法然上人御影念仏勧進の御影滝宮の念仏踊


【執筆者:藤田直信】