諸仏・諸菩薩の内なるさとりは、鏡のように澄み冷ややかで、少しも対立するところがないこと。外に説きあらわして化導する際は、時に応じ適宜方法をもって示されるので、内証は同じでも表現は異なるため内鑑冷然外適時宜ともいう。『初重指南目録集』上において、聖聡は「大師上人と内鑑冷然す」(『伝灯輯要』八四)と初重和字の口伝として二祖内鑑冷然の伝を示し、法然の内証は善導の内証、善導の内証は弥陀の内証とする。
【執筆者:慶野匡文】