現在の京都市東山区阿弥陀ケ峰一帯を指す地名。鳥辺野とも。古くは阿弥陀ケ峰北麓五条坂付近から南麓の今熊野付近を指していたが、慶長三年(一五九八)の豊国廟建立や、同八年の知恩院の拡張により、範囲が狭められ現在地に移った。化野あだしの・蓮台野とともに墓葬地として知られる。『日本紀略』天長三年(八二六)五月の恒世親王の葬地の記事が早い資料で、平安中期には僧侶の焚死ふんしが相次ぎ、中世に入ると浄土教系寺院が多く建立された。
【参照項目】➡阿弥陀ケ峰
【執筆者:工藤美和子】