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道綽三罪

提供: 新纂浄土宗大辞典

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どうしゃくさんざい/道綽三罪

道綽往生の障りとなる三種の罪のこと。道綽が自己の往生の可否に疑念を懐き、弟子善導に確認させたところ、善導は直ちに三昧に入り、道綽に三種の罪があることを明かしたという。『瑞応刪伝』に、「綽をして懺悔せしめよ。一には経像を浅処に安居し、自ら安穏の房中に居す。二には功徳をなすに出家人を使う。十方僧に対して懺悔すべし。三には修によって含生を傷損す。衆生に対して懺悔すべし」(続浄一六・五下)とある。『新修浄土往生伝』(続浄一六・九二下)ではさらに体裁が整えられている。しかし、より古い『続高僧伝』、迦才浄土論』などには記載されておらず、善導の偉大さを説くため後世になって作られた逸話と考えられる。法然は『選択集』一六で、この逸話をもって、道綽三昧発得していないと判断し、偏依善導一師の根拠の一つとする。


【参考】野上俊静『中国浄土三祖伝』(文栄堂、一九七〇)、山本仏骨『道綽教学の研究』(永田文昌堂、一九七七)


【参照項目】➡道綽偏依善導


【執筆者:木村迎世】