有相但着
提供: 新纂浄土宗大辞典
うそうたんじゃく/有相但着
有相の浄土に思いをかけて往生を目指すこと。『無量寿経』において説かれるように、阿弥陀仏は誓願として第三一国土清浄願、第三二国土厳飾願を立てているため、浄土とは清浄でありながら、宝樹、宝池などの種々の相を持つことがわかる。阿弥陀仏は執着から離れることのできない凡夫の救済のために、これらの誓願を立て、方処があり、無漏清浄の形ある西方極楽浄土を構えた。この阿弥陀仏の有相浄土に対して、凡夫が心を強く引かれ、一心に思いをかけて往生しようとすることを有相但着という。
【参考】仏教文書伝道協会編『仏教布教大系』一(大東出版社、一九八二)
【参照項目】➡有相浄土
【執筆者:宮田恒順】