知恩院史料編纂所
提供: 新纂浄土宗大辞典
ちおんいんしりょうへんさんじょ/知恩院史料編纂所
総本山知恩院が設立した研究機関。昭和四五年(一九七〇)に浄土宗開宗八〇〇年記念事業の一つとして知恩院境内に新設された。知恩院所蔵の中世以降の記録・文書を網羅的に調査研究し、整理保存に万全を期すと共に、新しい『知恩院史』の編纂を目的としている。事業の中心となっているのは、総本山知恩院が所蔵する中・近世の記録・文書のうち、主要なものの編纂刊行、「華頂古記録」の名称の下に整理され、一括保存されている近世の知恩院役者日鑑および発簡・来簡控の翻刻、および他機関所蔵の文書や史書に散見する知恩院関係史料の蒐集である。『知恩院文書目録』三冊、『知恩院史料集』「日鑑・書翰篇」一~二〇、「日鑑篇」二一~二四と「古記録篇」一が出版されている。公開・刊行された『日鑑』には知恩院山内の動静はもちろんのこと、朝廷・幕府・地方末寺との関係や、文化人との交流、京都の町の出来事などが元禄期から明治初年にいたるまで途切れることなく記録されていて、多方面において資料集として活用されている。
【参照項目】➡知恩院史料集
【執筆者:今堀太逸】