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歎仏頌

提供: 新纂浄土宗大辞典

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たんぶつじゅ/歎仏頌

無量寿経』上で法蔵菩薩が願意を示すために、世自在王如来の前に赴き、讃歎する偈文のこと。浄土宗日常勤行式まれる「歎仏偈」(「如来色身」で始まる偈)と区別して、歎仏頌という。浄土真宗では讃仏頌という。「光顔巍巍 威神無極」より「我行精進 忍終不悔」までの四言八〇句の偈頌(魏訳)をいう。その内容は、法蔵菩薩が世自在王如来の徳を讃歎し、出家する願意を説き、世自在王と諸仏に悟り証明を請う。梵本は一〇偈、漢訳は五言八一句、唐訳は七言四二句、宋訳は七言三六句であるが、呉訳にこの偈文がないことから、漢訳から付加されたものであると考えられている。ただし、この頌自体の成立は非常に古い可能性が指摘されている。また梵本に見られる言語現象は、ガンダーラ語およびその周辺の諸言語に共通するものと推定されている。現在では四誓偈、東方偈とともに日常勤行式法会等において広く誦まれる。


【資料】『無量寿経』上(聖典一・一八~二〇/正蔵一二・二六七上~中


【参考】中村元他『浄土三部経』上(岩波文庫、一九六三)、藤田宏達『原始浄土思想の研究』(岩波書店、一九七〇)、香川孝雄『無量寿経の諸本対照研究』(永田文昌堂、一九八四)


【参照項目】➡歎仏偈


【執筆者:北條竜士】