Ⓢsvāhāの音写で、真言陀羅尼の末尾に添えられる聖なる語。婆嚩賀、莎訶、莎呵とも書く。所願成就を祈る語と考えられている。古代インドにおけるヴェーダ聖典以来の用語であり、『蘇悉地羯羅経』上では、初めに唵おんがあり末尾にこの語があれば扇底迦せんちか(息災)法を成就する真言であるとする(正蔵一八・六〇四下)。また『仁王護国般若波羅蜜多経陀羅尼念誦儀軌』では、吉祥、円寂、息災増益、無住涅槃の義があると指摘されている(正蔵一九・五一九上)。
【参考】田久保周誉『梵字 悉曇』(平河出版社、一九八一)
【参照項目】➡真言、陀羅尼
【執筆者:袖山榮輝】