三毒をまじえ煩悩に汚された善と、その修行のこと。浄土宗においては本願行である称名念仏に対して雑修雑行、およびそれによって得た善のことをいう。また称名念仏が多善根であるのに対し、これらの雑善は少善根である。『選択集』一三に、「雑善はこれ少善根なり。念仏は是れ多善根なり…ただ多少の義有るのみに非ず。また大小の義有り。謂く雑善はこれ小善根なり。念仏はこれ大善根なり。また勝劣の義有り。謂く雑善はこれ劣善根なり。念仏はこれ勝善根なり」(聖典三・一七六~七/昭法全三四四)とある。
【執筆者:遠田憲弘】