相好
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:28時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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そうごう/相好
仏の身体、つまり仏身に具わっている優れた特徴である三十二相と八十随形好(八十種好ともいう)のことであり、両者を合わせて相好という。Ⓢlakṣaṇa-vyañjana。相(lakṣaṇa)は仏の顔・手・足などに見ることのできる、目につきやすい大きな特徴であり、随形好(vyañjana)は副次的で小さくて目につきにくいが、相を荘厳する美しい特徴をいう。化身には三十二相と八十随形好があり、報身には八万四千ないし無量の相と好がある。三十二相は転輪聖王もこれを備えており、八十随形好は菩薩にもあるとされている。『観経』に「心に仏を想う時、この心すなわちこれ三十二相、八十随形好なり」(聖典一・二九八/浄全一・四三)、「無量寿仏に八万四千の相あり。一一の相に、各八万四千の随形好あり」(聖典一・三〇〇/浄全一・四四)とある。
【資料】『俱舎論』九(正蔵二九・四五下)、『無量寿経』(正蔵一二・二七八上)
【参考】和辻哲郎「仏像の相好に就ての一考察」(『思想』八、一九二二)、福𠩤隆善「善導における仏の相好観」(阿川文正教授古稀記念論集『法然浄土教の思想と伝歴』山喜房仏書林、二〇〇一)
【執筆者:薊法明】