総願・別願
提供: 新纂浄土宗大辞典
そうがん・べつがん/総願・別願
諸仏・諸菩薩がさとりにいたる以前の修行過程で発す総・別二種の誓願のこと。総願は四弘誓願ともいい、一切の菩薩が発すべき四種の誓願のことで、すべての仏・菩薩に通じていることから総願という。一方、別願とは仏・菩薩がそれぞれ独自の立場に立って発す誓願のことで、阿弥陀仏の四十八願、釈尊の五百の大願、薬師仏の十二の上願、普賢菩薩の十大願などが知られている。法然の『選択集』三に「私に云く、一切の諸仏各総別二種の願有り。総とは四弘誓願これなり。別とは釈迦の五百の大願、薬師の十二の上願等のごときこれなり。今この四十八願は、これ弥陀の別願なり」(聖典三・一一四/昭法全三一七)とある。
【執筆者:遠田憲弘】