院家
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:19時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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いんげ/院家
一
寺格の一つ。門跡に次ぐ格式と由緒をもつ寺院。またそのような寺院の住職のこと。『和漢三才図会』一二・七二末の本願寺十ヶ寺勅許院家寺処々の項には「宇多・朱雀二天皇が落飾して仁和寺に入られ、御門跡の号はここから始まる。その時相従って出家した貴族を院家衆と称する。これより門跡寺には必ず院家がある」(『東洋文庫』四九八・一五一)としている。
【参照項目】➡門跡二
【執筆者:西城宗隆】
二
増上寺の待遇者。増上寺では本山の護持発展に功績のあった浄土宗の僧侶を『増上寺施行規則』(本山功績点、待遇及び表彰)によって待遇している。老宿を初位として耆宿・院家・上座大和尚・法務大和尚を最上位としている。院家に列した者には、蓮社号の上に院号(無量光院などの三文字の院号)を授与している。通常は院家以上を尊宿と称している。昭和六年(一九三一)制定の「大本山増上寺待遇規定」には、顧問教監・一山一老・執事長・内役長・建築局長が院家に相当し、檀林は上座大和尚・大檀林は法務大和尚としていた(『大本山増上寺本末規約』昭和一二年〔一九三七〕)。また、華頂宮より院家を特賜された例がある。例えば隆円は、文政五年(一八二二)に華頂宮(尊超法親王)より「常恭敬院」の号を特賜された。また大雲は、華頂宮(尊秀法親王)より院家に列せられて「無量覚院」を賜った。
【参照項目】➡院号一
【執筆者:西城宗隆】