禅定に通達する高僧に対する尊称。慧思、智顗、道綽、善導に用いられる禅師号は著名であり、禅定に優れ、悟りを得た意として用いられている。日本においては、奈良時代の道鏡に大臣禅師の号が贈られている。後年、禅宗僧侶の通称として用いられていたが、生前および死後に勅号として下賜されるようになる。浄土宗では良忠が記主禅師と呼ばれる。また、明治時代以降、曹洞宗においては、永平寺・総持寺貫首にのみ、生前中に禅師の称号が下賜されていたが、現在は行われていない。
【執筆者:東海林良昌】