ぜんこうじしきあみだ/善光寺式阿弥陀
長野・善光寺の本尊阿弥陀三尊像を模したとされる絵像や彫像の総称。鎌倉時代以降多くの作例が造られた。善光寺本尊は秘仏とされているが、概略が図像集(『覚禅鈔』など)に紹介されている。その姿は中国南北朝時代に出現し、飛鳥時代や朝鮮三国時代の多くの作例が残されている一光三尊像に近い。厳密な図像が不明なため細部の表現や寸法は多様であるが、三尊を包む大きな舟形光背や両脇侍が掌を上下に重ね合わせるといった基本的な特徴は共通している。彫像の場合、材質は銅が多いが木や鉄を用いた作例も見られる。
【資料】『覚禅鈔』(正蔵図像四)【図版】巻末付録
【参照項目】➡阿弥陀三尊像、一光三尊、善光寺五
【執筆者:近藤謙】