『梵網経』に説かれる四十八軽戒しじゅうはっきょうかいのうちの第四一戒。自身の名声や利益のために偽って教誡師となることを禁止するもの。『梵網経』では、仏の弟子たる者が教誡師となって授戒をなす場合、和尚と阿闍梨の二師を選び、七遮罪しちしゃざいの有無を確かめた上で、正しく教誡を行わなければならないとする。教誡師たるには大乗経律に関わる豊富な知識が必要とされるが、その資格能力がないのに、偽って教誡師となった場合は軽垢罪きょうくざいに当たるとするものである。
【参考】恵谷隆戒『改訂円頓戒概論』(大東出版社、一九七八)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:山極伸之】