説法式要
提供: 新纂浄土宗大辞典
せっぽうしきよう/説法式要
一一巻。牛秀撰。延宝四年(一六七六)刊。浄土宗における布教指南の先駆書。一巻には唱導式と称して儀式や説法の作法および心構えが二六項目にわたり説かれている。二巻から一一巻では、「浄土三部経」について二七二項目の解説がなされ、説法の模範が示されている。本書により江戸前期における布教方法の確立を見ることができる。大昌寺所蔵の『説法色葉集』(一〇巻、浄土宗宗宝)は天正一三年(一五八五)八月に撰述されたもので、『説法式要』はその流布本とみられる。
【参考】浄土宗布教伝道史編纂委員会編『浄土宗布教伝道史』・同付録『説法式要—浄土宗布教師の心得—』(浄土宗、一九九三)、大昌寺編『説法色葉集』(青史出版、二〇〇五)、後小路薫『勧化本の研究』(和泉書院、二〇一〇)
【参照項目】➡牛秀
【執筆者:宮入良光】