一巻。了暁慶善撰。文明一四年(一四八二)成立。『伝心抄』の口伝書。本書は、文明一四年四月八日付で宛てられた、弟子である岑誉雲翁の三箇条の質問に対する了暁の答弁を、同年六月一一日に記録したものである。了暁はこれを弟子の酉冏ゆうげいに授けている。本書には伝法の左右両手印についても記されているが、後にこの説示をめぐって愚底、了月の間に論難の往復が起こっている。
【所収】『伝灯輯要』下
【資料】『伝灯輯要』解題
【参照項目】➡授手印伝心抄、授手印請決清濁
【執筆者:沼倉雄人】