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釈氏要覧

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゃくしようらん/釈氏要覧

三巻。宋・道誠編。天禧三年(一〇一九)成立。本書は二七編からなり、仏典中に散見する名目、故実を注釈したものであり、仏教入門者のための必帯書たるべき書物といわれる。中国宋代の仏教界は諸学者の研究によれば、政情不安から公然と度牒を乱売し、銭財を得る策が取られるなど、僧侶の資質低下が著しい時代であった。このような情勢のなか、本書では宗派を越えて仏教者の在るべき姿を確認しようと試みられた。巻上から名目順に、姓氏・称謂・住処・出家・師資・剃髪法衣・戒法・中食、巻中には礼数・道具・制聴・畏慎・勤懈・三宝・恩孝・界趣・志学、巻下には説聴・躁静・諍忍・入衆・択友・住持・雑紀・贍病・送終・後序とある。


【執筆者:福西賢雄】