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後世物語聞書

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごせものがたりききがき/後世物語聞書

一巻。作者不詳。撰述年は不明。一三世紀前半の書。隆寛撰述として伝わってきたが、信空静遍説がある。仮名書きで九箇条の問答形式の書。洛陽東山の禅房にいる聖が、往生についての疑問に答えた書である。三心滅罪等、法然滅後に門流のあいだで問題になった内容について記されている。親鸞は『唯信鈔』『自力他力事』とともに本書を書写し東国の門弟に配ったが、親鸞教学との乖離性が強いことから、『唯信鈔』と同じく門弟に混乱をきたす原因を作った。浄土宗には伝わらず真宗系列の寺院相伝されている。


【所収】続浄九、『定本親鸞聖人全集』六、真宗聖典二、正蔵八三


【資料】了祥「後世物語録」(真宗全書四六)


【参考】石田瑞磨『法然と親鸞』(秋山書店、一九七八)、松本史朗『法然親鸞思想論』(大蔵出版、二〇〇一)


【参照項目】➡唯信鈔


【執筆者:伊藤茂樹】