円頓菩薩戒を授ける儀式である十二門戒儀の第九番。第八番の証明において伝戒師が受者のために十方諸仏菩薩の証明を請うたのに対し、受者三品の心に応じて瑞相が顕現することをいう。その因縁は、煩悩具足せる悪業の衆生が極勝の心を発したのを諸仏菩薩が憐愍してのことであり、加えて堅固梵行の心を起こさせ、至心に禁戒を守護して不惜身命に犯戒することなきよう努めさすところにある。
【資料】義山『授菩薩戒儀要解』(浄全一五)
【参考】恵谷隆戒『改訂円頓戒概論』(大東出版社、一九七九)
【参照項目】➡十二門戒儀
【執筆者:田中芳道】