1現世の身体、生身の体のこと。仏典には、行為によって現身にうける様々な事柄や現世利益が説かれている。例えば『観経』の第八像想観には「現身の中において、念仏三昧を得ん」(聖典一・三〇〇/浄全一・四三)とあり、この観をなすことで現身に功徳が得られるとする。また、現世の身のままで仏となることを現身成仏ともいう。2仏・菩薩などが変化へんげして現れた身のこと。仏・菩薩が衆生救済のために、様々なものに変化することは大乗経典を中心に説かれるところであり、その変化によって現れた身を現身と称する。
【執筆者:石田一裕】