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新仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あらぼとけ/新仏

新しく死者となった者の精霊のこと。亡くなってから一年あるいは三年後の盆までの期間を新仏として祀ることが多い。シンボトケ、ニイボトケなどとも読むほか、新霊あらみたま新精霊あらしょうりょうなどとも言う。盆における新仏の祀られ方は通常の先祖霊と比べると、祀られる場所、祀られる期間、祀りを受ける範囲などにおいて違いが見られる。また僧侶からの供養も通常の先祖霊より丁重に行われるべきであるとされ、盆の棚経施餓鬼会においては特別な供養を受ける。一般的に、新仏は死んで間もないため死の穢れを有し、不安定な死者霊で、生者に対して祟りを与える可能性を持つ存在とされるが、供養を受けることにより穏やかな霊へと転化していき、やがて子孫を守護する祖霊へと昇華していくと理解される。ただし浄土宗では、称名念仏による即得往生を説き、また法然が「仏教には忌という事なし」(聖典四・四五八/昭法全六五四)と述べるように、いかなる死者に対しても、死の穢れを説くことはない。


【参考】柳田国男「先祖の話」(『柳田国男全集』一五、筑摩書房、一九九八)、圭室諦成『葬式仏教』(大法輪閣、一九六三)、伊藤唯眞『仏教と民俗宗教』(国書刊行会、一九八四)


【参照項目】➡新盆盆行事精霊棚


【執筆者:名和清隆】