きょうまんびゃくせつかい/憍慢僻説戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうち第二三戒のことで、経典や律蔵、大乗の学戒をよく習得し修行した法師について、彼らが新たに入門した求道者からの質問に対して軽んずる心や悪心、慢心を抱いて丁寧に答えなかったならば、軽垢罪に当たるとしてこれを制する。この戒では釈尊入滅後における菩薩戒の受戒方法が規定されており、仏・菩薩の形像の前で自ら誓って戒を受ける場合は仏前に懺悔し、相好を見ることが求められ、すでに菩薩戒を受けた法師から現前に戒を授かる場合にはその限りではない。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】