有力寺院において教学・教育などの学事を統轄する僧侶の役職名。すでに鎌倉時代初期には、延暦寺、園城寺などをはじめ各地の有力寺院に置かれていたようである。江戸時代には東叡山の凌雲院(天台宗)、高野山の無量寿院(真言宗)などが有名である。浄土宗の場合、増上寺や伝通院などの檀林寺院の所化の中から、檀林ごとに学識にすぐれた者を選び、学頭に任命して、住職とは別に所化の指導にあたった。
【執筆者:宇高良哲】