戒牒
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:21時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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かいちょう/戒牒
授戒会の伝巻をいう。もとは、受戒したときに、公験が授けられ、度牒とともに僧尼の身分証明書でもあった。浄土宗では宗徒の得度式と檀信徒の剃度式で授与される度牒、あるいは、伝宗伝戒道場における円頓戒相承のしるしである伝巻(戒脈)を指す。授戒会の伝巻は「戒牒」と上書きがあり、その下に二文字の戒名が記してある。その内容は、三聚浄戒は三世諸仏が説き三世の菩薩が学する根源であり、釈尊も成道以来この戒をもって五乗を教化してきたことを述べる本文と、今授与する仏子の印信として、年月日と伝戒師の署名花押・香炉印等が記されている。五重相伝における贈五重の伝巻のように、授戒会に際しても追善菩提のために授与する伝巻を贈戒牒といい、これを贈授戒と称している。
【執筆者:清水秀浩】