開基
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:21時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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かいき/開基
寺院の基を開くこと。寺院を創建した人。特に、経済的貢献者である大檀越である信者をいう。寺院を開創した僧の尊称を開山と称して開基と区別しているが、開基が開山を指す場合もある。開創の業に従事して自ら開基となる者と、創立の業に従事していない人であるけれども、門人等が尊んで開基と称した場合がある。また開基には『破邪顕正義』に「日本仏法の開基なり」(浄全一二・八二二下)とあり、『太平記』二六に「寺を立て、宗風を開基する」(『日本古典文学大系』三六・四四)とあるように、ひろく物事の基を開く意味がある。『史記』汲黯伝、『漢書』王吉伝にその漢語の用例が見られる。別回向文では「当寺開基以来諸大檀越 日牌月牌 諸精霊等 増進菩提」と、寺院の草創以来の檀信徒の回向をしている。真宗では宗を開創した親鸞を開山と称して、寺院の創建者を開基と名付けて区分している。
【参照項目】➡開山
【執筆者:西城宗隆】