一巻。普寂撰。比丘びくが所持する生活品の六物(三衣・鉢・坐具・漉水囊ろくすいのう)について、出拠・制意・受持・制法などについて述べたもので、主として袈裟に絹を用いることの是非を論じている。具足戒では絹を許し、大乗戒では絹を禁止していることを論じて、具足戒に則するべきとする。当時、道宣にもとづく袈裟の絹禁止をめぐる議論が盛んであり、本書はその一つである。
【所収】日蔵六
【参考】川口高風『法服格正の研究』(第一書房、一九七六)、西村玲『近世仏教思想の独創』(トランスビュー、二〇〇八)
【執筆者:西村玲】