払子
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:33時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ほっす/払子
法要のときに、導師が用いる法具で、獣毛などの長い毛を束ねて柄につけたもの。麈尾ともいう。麈とは大鹿のことをさし、大鹿が尾を振ると群れの鹿がそれにつき従う様子が、導師が式衆を従える様に似ていることからつけられた名。インドでは、虫や塵を振り払うために用いた。日本においては真宗以外、導師は払子を持って威儀を正す。浄土宗では、大衆を指揮する意味から導師が執持する。払子の持ち方は、合掌の人差し指と親指の間から柄の末を出し、その角度は四五度位が適当とされる。振り方は、右手で柄の端を持ち、左・右・左と振り、左手は金剛印を結んで左腰部に当てる。内陣法要では入堂直後と退堂直前の二回、施餓鬼会などの外陣法要では仏前と祭壇の計四回とし、それ以上みだりに振ってはならない。
【執筆者:坂上典翁】