不断念仏
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:32時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ふだんねんぶつ/不断念仏
日時を決めて間断なく弥陀の名号を唱えること。常念仏ともいう。円仁が比叡山の常行堂において、日本で初めての不断念仏を修した。『三宝絵詞』下、比叡不断念仏の条に「もろこしより伝て、貞観七年より始め行へるなり。四種三昧の中には、常行三昧となづく。仲秋の風すゝしき時中旬の月明なるほど、十一日の暁より十七日の夜にいたるまで、不断に行せしむるなり」(仏全一一一・四六七上)とあるように、比叡山における不断念仏は天台家所説の四種三昧中の常行三昧として修されたものである。浄土宗においては、『四十八巻伝』八に「所々に別時念仏を修し、不断の称名を勤むること、源、上人の在世より起これり」(聖典六・八六)とあるように、別時行儀としての口称念仏による不断念仏は、法然在世時より始まったもので、比叡山で修されていた常行三昧の不断念仏とはその趣を異にする。現在、知恩院をはじめ多くの寺院で、長時修・無間修の意をもって常念仏が修されている。
【参照項目】➡七箇所不断念仏
【執筆者:加藤芳樹】