寺や僧を供養する施主の家。檀徒、檀越だんのつ、檀那などともいう。施主は仏教成立当初から存在するが、江戸時代に幕府の政策として、農民を農村に固定して生産に従事させようとする目的から、家を単位に一定の寺院に所属させた。寺と檀家の関係は、祖先供養や葬儀、檀那寺の建立や修復などを介して結ばれていた。明治時代には、神仏分離により一時期檀家制度は廃止されたが、間もなく復興した。
【参考】圭室文雄「幕藩制下の仏教」(『アジア仏教史』日本編七、佼成出版社、一九七二)、同『神仏分離』(『教育社歴史新書』教育社、一九七七)
【参照項目】➡寺檀、寺檀制度、檀那、檀越
【執筆者:𠮷水成正】