勧進とは本来は衆生を教化し仏道へとすすませることを意味し、浄土教では念仏を勧誘することである。そこから転じて、寺社の造営や修復、造仏・写経などの作善を勧め、そのための浄財を募ること、またそうした行為に従事する人を勧進と称するようになった。勧進にはその規模によって階層があり、大勧進職とは、勧進上人や勧進聖ひじりを配下に組織する責任者の役職である。治承四年(一一八〇)の南都焼き討ちの後、俊乗房重源が東大寺大勧進職に補任されその復興に挺身したことは著名である。
【参照項目】➡勧進、重源
【執筆者:舩田淳一】