聖冏の教学において、全仏教の中で浄土宗義を位置づけた教判用語。聖冏の二蔵二教義の教判によれば、全仏教を声聞蔵・菩薩蔵に大別し、声聞蔵は声聞乗・辟支仏びゃくしぶつ乗・菩薩乗に分かち、菩薩蔵には漸頓二教があるとする。そして漸教に初分教十地、後分教六位六十一地があるとし、頓教に性頓と相頓とを分別し、相頓教に内因・外縁・往生品位の三門を立て、内因に安心・起行・作業、外縁に総願・別願・五種増上縁、往生品位に三輩・九品を挙げ、浄土門は菩薩蔵相頓教であり、頓中の頓であると結論される。
【参照項目】➡浄土相頓
【執筆者:東海林良昌】