随犯随懺
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:27時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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ずいぼんずいさん/随犯随懺
罪を犯し悪業を行ったことに気づいたときや、他人から指摘されたときに、その都度すぐさま懺悔告白し、常に清浄であろうとすることをいう。仏教教団においてはその構成員が律の条項を犯した場合は、満月と新月に行われる布薩において懺悔告白して出罪しなければならなかった。大乗戒においては道徳的行為の習慣化を目指すため、もし戒を犯した場合は戒を授けられた釈尊をはじめとする不現前の五師に対して懺悔告白し、また自らの心に反省しなければならない。善導は『往生礼讃』前序において四修を説き示し、その第三無間修には「心心相続して余業をもって来たし間じえざるが故に無間修と名づく。また貪瞋煩悩をもって来たし間じえず、随犯随懺して念を隔て時を隔て日を隔てしめず、常に清浄ならしむるをまた無間修と名づく」(浄全四・三五五下/正蔵四七・四三九上)と述べている。念仏行者は好んで貪瞋煩悩を作ることなく、可能なかぎりにおいて持戒生活を心がけるべきではあるが、凡夫である以上はすべて守ることは不可能なので、罪や悪業を行ったときには、その都度すぐさま懺悔告白することが肝要である。
【執筆者:齊藤隆信】