江戸に対する田舎の意で、地方にある檀林をさす。檀林は各宗に設置され、宗侶の養成や教学の研究に当たった。浄土宗でも中世以来諸所に開設されたが、特に江戸時代には白旗派の関東十八檀林と名越派の二檀林が制定されて、その任に当たった。この中で、関東十八檀林では、増上寺や伝通院などの江戸に所在する五檀林を江戸檀林といい、それ以外の鎌倉光明寺や瓜連うりづら常福寺などの一三檀林を田舎檀林と称して区別した。
【参考】玉山成元『普光観智国師』(白帝社、一九七〇)、宇高良哲「浄土宗関東十八檀林の成立」(『日本仏教』三六、一九七三)
【参照項目】➡関東十八檀林
【執筆者:𠮷水成正】