寿命の量。仏・菩薩をはじめ、すべての存在が持つ命の定量。『無量寿経』上において、阿難が釈尊に対し、「かの仏(世自在王仏)の国土の寿量いくばくぞや」と問うたのに対し、釈尊は「その仏の寿命四十二劫なり」(聖典一・二二四/浄全一・六)と答えている。また法然は『十二問答』で「かの時の人の命はただ十歳なり。戒定慧の三学、ただ名をだにも聞かず」(聖典四・四三八/昭法全六三八)と述べ、『俱舎論』等で説くところの五濁悪世の末法には釈尊の教えの衰退と共に人間の寿命も極端に減衰するという認識を踏襲している。
【参照項目】➡寿命
【執筆者:渋谷康悦】