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繡仏

提供: 新纂浄土宗大辞典

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しゅうぶつ/繡仏

刺繡によって仏をあらわしたもの。その起源は、古代インドにまで遡ると考えられており、造仏の功徳を説いた『大乗造像功徳経』に造仏技法の一つとして刺繡があったことが記されている。日本に繡仏が伝来したのは飛鳥時代とされ、『日本書紀』推古天皇一三年(六〇五)四月条に鞍作止利くらつくりのとりに丈六繡仏を造らせた記事が認められる。仏は独尊としてのみあらわされるのではなく、観経曼陀羅に代表されるような複数の尊体で構成するものや涅槃図等仏伝的絵像としても表現される。また、絵画表現だけでなく種子や文字によるものもある。


【参考】伊藤信二『繡仏』(『日本の美術』四七〇、至文堂、二〇〇五)


【執筆者:藤田直信】