上尽一形下至十声一声
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうじんいちぎょうげしじっしょういっしょう/上尽一形下至十声一声
念仏の数の多少を表す語。善導『往生礼讃』に「信心求念するものをして上一形を尽し、下十声一声に至るまで仏願力をもって往生することを得やすからしむ」(浄全四・三五六下/正蔵四七・四三九中)とあることによる。法然は『選択集』三で第十八願の「乃至」について「乃至と下至とその意これ一なり。『経』に乃至と云えるは、多より少に向かうの言なり。多とは上一形を尽す。少とは下十声一声等に至るなり」(聖典三・一二二/昭法全三二一)と解釈している。一形とは一生涯のこと、つまり多い場合は一生涯の念仏、少ない場合は十声一声の念仏ということであり、そのいずれでも往生の要因となることを説いた。
【参照項目】➡一形
【執筆者:曽田俊弘】