けうにん/希有人
念仏行者を讃える五種の嘉誉のうちの一つ。『観経』が、念仏する者を「これ人中の分陀利華なり」(聖典一・三一四/浄全一・五一)と喩えるのを、善導が『観経疏』散善義で「もし念仏する者は、これ人中の好人、人中の妙好人、人中の上上人、人中の希有人、人中の最勝人なり」(聖典二・三二三/浄全二・七一上)と五つの表現によって釈す箇所に出る。『選択集』一一では「人中の希有人と言うは、これ常有に待して歎ずるところなり」(聖典三・一六一/昭法全三三七)と、余善諸行と比べて念仏の功徳が尋常ならざることが強調される。
【参照項目】➡嘉誉
【執筆者:市川定敬】