きそくねんぶつ/気息念仏
十念にかかわらず、ひと息で複数遍称え続けることの出来る念仏。記主己証(良忠による自証)とし、『往生論註』の「必ずしも頭数を知ることを須いず」(浄全一・二三七上)に由来する。十念未満から臨終まで続く念仏とし、口癖となって称え出る不断相続をうながす。傍人伝とも関係し、病人の耳が聞き入れるようにする息合わせの念仏としても伝えられる。隆円『吉水瀉瓶訣』第二密室分九などに示され、化他では隆円『浄業信法訣』添口伝第四などに示されるが、山下現有の伝書では省かれるなど異同も大きい。末山伝ではひと呼吸での念仏、気続の念仏として伝えられる。
【執筆者:神居文彰】