仏塔・仏舎利塔などを拝するときに用いる偈文。礼塔文ともいう。塔を釈尊の身体の象徴として捉え礼するために唱える。「頂礼仏塔ちょうらいぶっとう 当願衆生とうがんしゅじょう 得道如仏とくどうにょぶつ 無能見頂むのうけんちょう」。出典は『六十華厳』七(正蔵九・四三二下)。仏塔を頂礼すれば、道を得ること仏の如く、よく頂いただきを見ることが出来ることを願う、との意。『八十華厳』一四には「頂礼於塔おとう 当願衆生 一切天人いっさいてんにん 無能見頂」(正蔵一〇・七二上)とある。
【資料】『声明集』(天和三年〔一六八三〕)
【執筆者:中村瑞貴】