ちんぜいのしゅぎょうしゃとのもんどう/鎮西の修行者との問答
法然とある弟子と鎮西の修行者なる人物との問答の様子を伝えたとされるもの。鎮西の修行者が、称名念仏のとき、仏の相好などを心に観ずるべきかを問う。それに対し、法然のある弟子が、全くそのとおりだと述べるが、法然はそれをすぐに否定し、善導『往生礼讃』の第十八願の釈文をあげ、この文を思うべきであると説いている。また、『昭法全』の底本・対校本以外の異本として、『一期物語』『浄土宗見聞』『浄土随聞記』『諸人伝説の詞』『十巻伝』五などの所収のものがあげられる。
【所収】昭法全
【執筆者:角野玄樹】