大乗無量寿荘厳経
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいじょうむりょうじゅしょうごんぎょう/大乗無量寿荘厳経
三巻。『無量寿荘厳経』『荘厳経』ともいう。北宋・法賢訳。『無量寿経』の異訳の一つで最も新しい訳経。北宋・淳化二年(九九一)に訳出。阿弥陀仏の本願と極楽浄土の様相を説く。康僧鎧訳『無量寿経』との相違点としては、三八の過去仏を列挙し、法蔵比丘を作法苾蒭とし、序説と三毒五悪段を欠き、三六の阿弥陀仏願文(摂衆生願のみ)を説くことが挙げられる。また東方偈が下巻の初めと終わりに分かれていることなどが挙げられる。本経は四十八願系の後期無量寿経に属するが、本経のみが三十六願経であることから別系統であると考えられている。『徹選択集』上の第一四篇では本経を挙げている。
【所収】浄全一、正蔵一二
【参考】藤田宏達『原始浄土思想の研究』(岩波書店、一九七〇)、香川孝雄『浄土教の成立史的研究』(山喜房仏書林、一九九三)
【執筆者:北條竜士】