「祝聖文」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:27時点における版
しゅくしょうもん/祝聖文
世の中が平和で、人民は安穏であるようにと願い唱える偈文。「天下和順 日月清明 風雨以時 災厲󠄂不起 国豊民安 兵戈無用 崇徳興仁 務修礼譲」。『無量寿経』下「五悪段」(聖典一・二七七~八、浄全一・三二)にある。天下は太平であり、日と月は清らかに明るく照らし、風と雨も時に応じ、災害と疫病も起きず、国は豊かに人々は安らかに過ごし、兵や武器を用いる争いごともなく、人々は徳を崇め仁を尊び、努めて礼儀と謙譲の道を修めます、という意。『法要集』では修正会、勅諡記念会、地鎮式、起工式、立柱式、上棟式、落慶式(塔婆回向)、撞初式に唱える回向文としている。また、落慶式等で立てる角塔婆・板塔婆、上棟式の棟札にはこの文を書く。昭和三六年(一九六一)の七五〇年御忌に加諡された大師号である「和順」はこの文による。また、増上寺の三段式ではこの文を声明として唱えることがある。
【執筆者:中野晃了】