「散華 (さんか)」の版間の差分
提供: 新纂浄土宗大辞典
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2018年3月30日 (金) 06:24時点における最新版
さんか/散華
一
花を撒いて仏を供養するときに用いる花弁。華または華葩ともいう。もとは蓮華や菊花、青蓮華に似ているので樒の葉などの生花を用いるが、一般には蓮などの花弁を模した紙製のものを用いる。生花または蓮弁形の紙に彩色したものを華籠に盛って散らす。
【参考】宍戸栄雄「荘厳 その一 花について」(『教化研究』二、一九九一)
【参照項目】➡散華
【執筆者:斉藤隆尚】
二
華を撒いて仏に供養すること。また供養した華をいう。散華をするには、華籠、紙等で蓮華をかたどったものを用意する。本来は、生花を用いるが、一般的には紙等でかたどったものを代用している。散華は、礼讃(日没礼讃を除く)、奉請、「送仏偈」、九位奉唱、道場散華、声明の散華等で行う。散華の枚数は、撒く回数の倍数を用意する。原則として起立して行う(「送仏偈」の散華は長跪で撒く)。散華の前後の動作を華籠捌きといい、正式には扇を用いる。正座の状態から起立するときは、左手で華籠の左縁を持ち、右手は扇を取ってから華籠の右縁を持って長跪し、右手の扇の柄で三本の房紐を外から内に掲げて、華籠の右縁を持って、一度腰を下ろしてから左膝を立てる。起立した後、左足を引き、房紐を静かに下ろし、扇を襟にさす。左右の房紐は人差指と中指の間に挟み、親指を華籠の縁に掛け、両手で受けるように胸の前に保持する。散華するときは、右手を伏せて人差指を下に中指を上にして華をはさみ、そのまま額のあたりまで捧げいただき、掌を仰向けて円を描くようにしながら右前方に出して、おもむろに華を放して撒く。座るときは、右手で襟から扇を取り、扇の柄で房紐を束ね、華籠の右縁を持ち、次に左の掌で房紐の末端を受けて、左縁を持つ。そのまま座り、華籠を机上に置き、扇を元通りに置く。ただし、奉請、「送仏偈」のときは、中品礼をする。
【参照項目】➡散華
【執筆者:坂上典翁】